ボンジュー ムッシュー サバ⁉︎
あなたの革靴サイズ合っていますか?
靴のサイズ選びは厄介なものです。
購入前充分に吟味し試着も念入りにしたつもりでも履いていくうちに足に合わなくなり、あれだけ気に入っていたのにだんだん履かなくなってしまう。
そのような経験が、私にはあります。( ;∀;)
洋服と違いサイズのお直しは、まぁ〜不可能です。
靴を形作るのは木型(last/ラスト)
アッパー部分(甲)。底。靴を作っていく形、デザインは、ラストに沿った形で進められます。
形やデザインを変えるならばラストを作り直さなければなりません。
極端にいえばラストは人の足と同じものです。
これを作り上げる事というのは、正に設計です。
スポーツシューズメーカーは、機能性が重要視されます。
設計という専属の部署があるくらい靴にとっては一番重要な部分です。
足は人それぞれです。 甲の高さ 幅 足の指の長さ 踝の高さ 左右の足の違い
サイズ表記は、足の縦の長さの表記です。
横幅はワイズ表記ですが、ワイズの種類を多く揃えているところは残念ながら稀です。
例え同じサイズ表記であっても既製品の靴にそれらを全て合わせようという方が無理というものかもしれません⁈
革靴選びで最も重要なこと
Caulaincourt / コーランクール ファウンダーであるAlexis Lafont /アレクシーがサイズ選びについてYouTubeをアップしています。
私たちが扱いを始める際、彼から時間をかけてもらいレクチャーを受けましたので意訳ながら字幕をつけております。
ご覧いただければ幸いです。
ポイントは以下の通りです。
試着
紐靴は紐を緩めて 踵を靴のヒールカップ部分(一番後ろ)合わせてみる。
その後、指が靴のつま先にあたって違和感がないかどうか?逆につま先と指の間に隙間があきすぎていないかどうか?を確かめます。
次に紐靴であれば紐を締めて 歩いてみて踵のフィット感を確かめます。
人の歩き方は、踵から着地。すぐ体重をつま先側に移動、と同時に土踏まず部分で衝撃を吸収し、つま先、足指と体重を移動して次の一歩を踏み出すようです。
つま先からの着地は忍者です…
過度に踵に体重を乗せすぎるのも良い歩き方ではないようですが、それらの動きを考えれば踵を適度に包み込めない靴は、サイズ(縦)やワイズ(横)のサイズが合っているように感じても、履き込んでいくうちに足に合わなくなります。
私が実際に接客した経験上では、ご自分の足のサイズより大きめの革靴を履かれている方が少なからずおられました。
当たり前のことですが、人は窮屈なものや痛みを伴うものは避けます。
試着で少しでもキツイ感じた場合、それより一つ上のサイズを選ばれる方が多いようです。
販売する側は、試着された際 ある程度は靴の外側から触ってみてフィット感を確かめることはできるのですが、どれくらいの窮屈なのかは感覚なので、それらを引き出すコミュニケーション能力が重要になってきます。
それが初対面の場合。お客様がキツイと感じ、痛みがありサイズを決めかねていたとき、履き心地の良いサイズの方をお勧めするのではないかと思うのです。
日本は家の中では靴を脱ぎます。お仕事によっては靴を脱ぎ着する場面も多いので、その時に時間がかかるのを嫌う方も多いという理由のひとつのように感じました。
履き込んでいくうち変わるポイント
革は伸びます。
硬い革は伸びにくく 柔らかい革は伸びやすい。当選履き心地か違います。
以下は、私の経験です。
スエードやヌバックレザーなどが好きなのですが これらの起毛した革は銀面がない分、柔らかいので伸びます。
試着時ジャストフィットと感じたものは、殆ど全て 踵がぬける感じや歩きにくさを感じます…😢 ( ;∀;)
革が硬いGenuine shell cordovan®️ / コードバンと 手入れをすると更に柔らかくなるChromexcel®️ / クロムエクセルレザー
全く同じラストとサイズとワイズです。
両者とも「きつめ」のサイズを選んだので最初は靴擦れがありました。
両者とも今は足に馴染んで快適ですが、やはり後者の方が履き心地が良いのです。
只靴の踵と小指部分が擦れて革が削れて靴下が汚れてしまいます。また後者の方は小指部分が抉れてきて放置しておくと破れそうなので内側から別の革で補強しました。
厳密にいえばこれも私にはサイズが合っていないようです。
中底が沈むとは?
本底と中敷の間には.履き心地を考慮して コルクやスポンジなどの緩衝材が入っています。クッション性のあるもので、しかも靴には体重をかけ続けるのですから縮んでしまいます。
それにより空間ができてしまいサイズが変わってしまうのです。
やっと出会ったCaulaincourt /#SHAKOという木型(last/ラスト)
私はこのラストの靴を4足履いております。
1)革はBOXカーフ 底は革 製法 Goodyear welted Process/ グッドイヤーウエルテッド製法
2)革はBOXカーフ 底はラバー 製法 blake Rapid Process/ ブレークラピド(ブラックラピド)製法
3)革はBOXカーフ 底は革 製法 Bolognese Process / ボロネーゼ製法
4)革はGrained deer leather/鹿革 製法 Bolognese Process / ボロネーゼ製法
4足とも履き初めてから 靴擦れなどなく、強く内側からの補強もせず、踵抜けなど感じないのです。
私の足に合っているのだと考えます (アレクシーのおかげです)
その中でも一番ヘビーローテーションが 4)なのです。 (ボロネーゼ製法なので春夏シーズンですが)
製法でも履き心地は変わります。
ボロネーゼ製法は足の返りが良く疲れを感じさせないのです。私にはこれが一番合っているようです。
ただ鹿革の柔らかさは良いのですがキズが付きやすく、そのキズ補修ができないのがデメリットです。
全く同じ木型サイズの革靴であっても製法によっても履き心地が違うのです。
結論は革靴のサイズ選びに正しい答えなどないのです。
本当こんな… ややこしいモノ…
そんなことが大好きなオヤジが多いということだけが正しいと思います。
メルスィー オバ!
crème de la crème
TOM