画一的な評価が安心の日本
ボンジュー ムッシュー サバ⁉︎
弊社では、色々な革製品を扱っています。
コバとは革の断面のことをいいます。
面積が大きな革の部分は、使い込めば経年変化で味も出てきます。
革製品は、裁断した端を縫い合わせているものが多いため 、端の部分 、角とか端は、磨耗し易い箇所です。
また、裁断したままの切りっぱなしは、 見た目にも美しくありません。
より良い製品を作りあげるならば、なんらかの加工をしなければなりません。
※パイピング
Caulaincourt Model: #EDMOND Briefcase
※パイピング
Caulaincourt Model: #MACHOLDER
※へり返し
私物の財布
※コバ磨き+コバ塗り(コバ染め?)
Caulaincourt Model: #MONCEAU
磨き方も断面だけや蒲鉾のような形に角を加工する方法。革の素材や厚みによってそれぞれがあります。
塗りに、用いるものも蜜蝋 、染料、(革に色を浸透させ染める)、顔料(革の表面に色付け)、独自に調合したものを用いていることもあり、その商品をどう表現したいのか?によりそれぞれ組み合わせた方法を用いるそうです。
革小物(お財布、定期入など)は、お札やカードなどを入れるパーツ(部品)が多く、幾枚かの革を重ねなければなりませんのが、分厚くなっては、使い勝手が悪く、美しくありません。薄さが必要なのです。
そのため、重なる部分の革を薄く漉き縫い合わせます。
革小物はポケットやカバンからなど出し入れが多いためどうしてもコバが擦れやすい。
なんらかの加工をしなければ強度的にも問題が残ってしまいます。
このように、使う目的やデザインにより手段を使いわけます。
特にコバ磨き+コバ塗りの方法は、手間がかかる作業のようで、この方法にこだわりを持つ日本のブランドも多いようですし、1つのパーツ部分に、この手法を10回以上繰り返し用いているブランドもあると聞いたことがありました。
鞄は、革小物に較べると薄さの加工を必要としない場合もありますので、 革小物 とは違う、アトリエ(工場)が多いのです。
どちらが優れているということではなく、それぞれの加工に 得意、不得意があるということだと、私は理解しています。
日本の技術
Burnivet(バーニベット)
このハンドル 手の形に、合うように括れさせて 、強度を保つために革を何層にも重ねて接着して一体化させ、木端を磨きあげ、最後に色をつけています。
トランク、キャリーケースという性質上、鞄と比べて重量があります。
その為、ハンドルと手にかかる負担は大きい。
手で掴んだときの感触を含めた持ち易さがこの仕上げの理由です。
引用元:兵庫県鞄共同組合「豊岡鞄」地域ブランド委員会さん
Caulaincourt(コーランクール)の革小物
コーランクールは、靴のブランドですが、フランスパリのアトリエ(工場)で 革小物、ベルト そして鞄の一部を作っています。
このアトリエまだ若い職人さんですが、繊細な商品を作るのが得意です。
私は、最初見たときに、自分が持っているベルトと比べて「 コーランクールのベルトは、綺麗なベルトだなぁ」というくらいでしか認識はしていませんでした。
靴職人の白濵結城氏 曰くです。 他社製品にもかかわらず、職人さんからの目線からこの仕上げ方法を褒めてくださいました。
やはり嬉しいものです!!
下記ブログの最後に Yuki Shirahama Bottier 白濵氏に、褒めて頂いております。
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引用元:熊本 Sassi 旧店名:バロンドールさん
Charles et Charlus(シャルル・エ・シャルリュス)の鞄
Model: # MINETTE
引用元:熊本 Sassi 旧店名:バロンドールさん
彼らは、柔さとカジュアルさを大事にしたい、というのがブランドのコンセプトであります。
それゆえに、極力コバは自然にしておきたいのが彼らの考えです。
もちろん強度と見た目を考えコバ磨きは、3回ですが行っています。
極端に繊細な仕上げを避けています。鞄本体の色が黒の商品以外は、彼らの美意識からコバには、革の良さを表現した#Marronの色しか、つけていません。
私自身は、シャルル エシャリュス取り扱い時から約5年以上鞄を愛用していますが、コバに関しては、 不都合もありませんし、全く問題はおきていません。
私が「コバ・バイヤー」と呼ぶ人たち
人によっては、革製品の基準として、このコバ仕上げを商品の優劣評価をされる方と出会うことがあります。
人それぞれですが、あまりにも画一的な基準に囚われすぎると本質を見失ってしまうのではないでしょうか?
プロフェッショナルなのに 教科書どおり…自分に自信がないの?
と、私は感じてしまいます。
メルスィー オバ!
crème de la crème
TOM