物づくりは一流 売り方は二流 結果は二流以下

Ateliers Gauthier ブランドLOGO

ボンジュー  ムッシュー サバ⁉︎

Ateliers Gauthier(アトリエ・ゴティエ)はシャツ工場ですので、著名ブランドのO.E.M.生産とゴティエネームの自社企画(デザインとそのデザインにあった生地を使っています)を生業としています。

現在のオーナーMichel de Saint-Jean(ミシェル・サン-ジャン)は生地商出身。

生地の提案は、パーマネントコレクション(日本での呼び方だと定番?)はもちろんですが、シーズンやトレンドを加味したコレクションにも 豊富な種類の提案は怠ることはありません。

それはシャツの重要な要素でもあるからです。

ateliers-gauthier-france 古いミシンと機械

シャツのOEM生産とODM生産については下記のブログが1番当てはまると考え引用させて頂きました。

引用元:アパレルアイブログさん

海外も含めて日本のアパレル、ファッション雑貨を扱う企業のほとんどが、このO.E.M.かO.D.M.生産に当てはまります。

世界でも自社工場自社ブランドは、ほんのひと握りしかありません。

コラボ商品というものもあります。一時は日本でも巷に、氾濫していましたが、今は落ち着いているように感じます。

コラボ=コラボレーション=合作、 協力という意味だと、私は理解しています。

友人の画家曰く、コラボレーション、その前提条件は、実力が対等以上でないと成り立たないと言われた事がありました。

マシンメイド(ミシンで縫う)とハンドメイド(手で縫う)

LELYS ルリスのシャツは南イタリアで作っていました。

ARNYS( アルニス)時代からのアトリエ(工場)です。日本でも南イタリアのハンドメイドの高級シャツとして自社ブランド名で流通しています。

ateliers-gauthier-france イタリア製

 LELYS ダブカラーシャツ

このシャツはDominique Leys(ドミニク ルリス)氏のデザインで クラシックスタイル。

袖はダブルカフス(フレンチカフス) デティールは前立があります。

前立があると、カジュアルシャツのデザインと日本では言われていますが 元々は、プリーツシャツのデザインのなごりであり一概にはカジュアルアイテムとは、言い切れないのです。 

裾部分は、シャツが下着だった頃のなごり 「Puder」(ピュドゥー)と呼ばれているデザインです。

日本やアメリカのブランドも、ヴィンテージ仕様としてデザインに取り入れている商品をみかけます。

Leys シャツ #Edinbourg タブカラー アトリエ・ゴティエ ハンドメイド製

          ハンドメイド仕様            

Leys シャツ #Edinbourg タブカラー アトリエ・ゴティエ ミシン縫製

マシンメイド仕様

私は、付加価値をつけようと考えました。

このシャツのパータン(型紙)をアトリエゴティエに持ち込み、ハンドメイド仕様と併せてマシンメイド仕様で、同じデザインのサンプル2枚を、依頼しました。

同じ型紙を用いて縫製した場合でもミシンを使った場合でも工場が違った場合 仕上がりがやはり違うものです。

ミシンを使ったとしても人間が縫うもの 職人さんによってやはり微妙に違います。 まして、人間の技術100%の手縫いです。

全く同じものを違う職人さんが、作ろうとする方が無理というものです。

出来上がったサンプルに着心地に違いがあるのかというと、南イタリアで作ったシャツを含めて、 私はこの3着の違いは全く感じませんでした。

工場出し価格 ( 加工賃の比較で生地代は入っていません 日本での店頭での販売価格とも違います) は、南イタリアハンドメイドを1とすれば、フランス製のマシンメイドは、0.85 。

フランスでのハンドメイド仕様は、気持ち悪いくらいの値段になってしまい、これは、もうシャツの価格ではない結果となってしまいました…。

商品と売場そして人。 この3つの要素が基本

勤めた会社での最初の上司からの忘れられない言葉です。

大学の恩師 著書

引用元:Amazonさん

学生の頃 マーケティング理論の授業ではもう少し細分化されていたと記憶にありますが、この上司の言葉。

売り手、供給側の考え方でとてもシンプルなので忘れられません。

今はもう販売されていないようなのですが、日本でこんなシャツを販売していました。

セブンアイフォールディングス シャツ企画プレスリリース

引用元:イトーヨーカドーさん

この価格で、この仕様やこだわり加えてサイズ展開の豊富さ。

海外商品と相対的な価値を比べれば格段に優位性はあるはずです。

「ここまでやるのか」と日本企業の力を、私は見せつけられました。

残念ながら今は、このシャツのプロジェクトは辞めてしまったようです。

この売場(ネットも含め)で買われるお客様にとっては、このこだわりシャツの魅力と価値は、伝わらないのでは?

良さはわかるが、同じイトーヨーカドーさんで買うなら、自分に価値感にあったシャツが、二枚以上買えるかもしれません。

上司が言っていた、3つの基本のバランスを考えた、売り手側と1番大事であるはずのお客様とが、合っていなかったからだったのではないかと、私は推測しました。

この件がきっかけで、私自身もう一度、できあがったシャツのサンプルを前にして基本に戻って考えることにしました。

売り方は一流。物づくりが二流以下は、全くもって話になりません…。

メルスィー  オバ!

crème de la crème

 TOM