「S.POURSIN」(エス・ポッサン)
ボンジュー ムッシュー サバ⁉︎
副資材、付属品、と呼ばれるモノがあります。 洋服なら裏生地、ボタン類やファスナー。鞄、ベルト、靴ならバックル 、リベット、錠前等々の金属類のことを指します。
全体の割合から比べると少ない部分、いわばパーツ部分ですが機能的には絶対に必要なものです。 洋服なら生地、靴や鞄なら革、それらの「主役」の素材に目が行きがちですが、これら「脇役」がチープに見えると「全体が残念な感じ」に見えてしまうものだと私は感じるのです。
これは価格の多寡だけではありません。ボタンであれば、貝殻などをはじめ自然の素材を生かしたもの、石油系樹脂を原料とする人工素材。
金具類であれば 地金は、合金である真鍮やニッケル、色付けするメッキ加工も色々な方法があるようです。
それぞれメリットデメリットは当然あるのですが素材や加工方法が変われば当然価格も変わってきます。
“副資材選びもセンスが必要でありデザインの重要な要素である”
と私が若い頃勤めていた会社のチーフデザイナーでもある社長が何とか商品コストを抑えようと選んだ副資材、それを使って企画した商品を前にして部下のデザイナーにダメ出しをしていました。
その社長が「こっちを使ったらどうだ?」と代替を提案したリベットボタン。そのボタンだけで同じ商品は見違えるほど私には良く見えたのでした。
もう何十年も前のことでしたが、その言葉とその時の光景ハッキリと記憶に残っています。
更なる進化を求めて
タイトルは大袈裟でしたが… 私の渡仏目的は、今ある商品をより良くするため、更なる改善を日本のお客様に提案できるように供給側であるブランドとのあらゆるコミュニケーションを深めることです。
弊社が扱わせていただいているバッグブランド Charles et Charlus(シャルル・エ・シャルリュス) berthille(ベルティーユ)が使用しているファスナー以外の副資材は、パリのアクセサリーを使用しています(彼らは、副資材をアクセサリーと呼んでいました)
彼らのとのミーティングで副資材の話題になったとき、「このアトリエにあるのは、ほんの一部なのでTOMパリに戻ったらここに行ったらもっと選べるものがあるよ」とアクセサリー屋さんに連絡を入れてくださいました。
パリのアクセサリー屋
「S.POURSIN」(エス・ポッサン) そこがある場所は、どちらかというと下町の雰囲気があるパリ10区 地域柄か?お店の外観には落書きが目立ちました。
お店を構えているので営業時間中であれば何時でも良いとのこと、アポイントメント無しでお邪魔しました。
店内には、マダムと日本にも商品を販売している職人のムッシュが、話をしながら商品を選んでいる最中でした。(後でマダムに教えていただきました)
最初は、外国人である私を警戒していたようでしたが、名を告げると お二人の態度は一変。
自分達の用事は早々と済まして、親切に丁寧に商品に教えていただきました。
ここは私にとって、一日中いても飽きない空間。
製法やメッキに関しての環境問題や等々多岐にわたり、度々 話は、脱線しながらも詳しく勉強になる内容でした。
ただ著名なメゾンとも取引がある為、商品の写真を撮るのはNG。
しかし、今回は、正式な取材等でないとNGである店内の写真を撮ることを許され、特別に奥に職人さんが作業している工房にまで案内してくださいました。
下記にOVNI/パリの新聞さんのコラムと 動画がありました。私が撮影できなかったところまでUPされています。是非ご覧くださいませ。
引用元:OVINI|パリの新聞さん
引用元:Fashion Networkさん
新しい発見の喜びと一つの出会いがあったことに感謝の一日でした。
P.S.「エス・プルサン」と呼ぶのかもしれません。
私には「ポッサン」と聞こえたのですが…
フランス語は難しいのです…
メルスィー オバ!
crème de la crème
TOM