伝える事の難しさ
ボンジュー ムッシュー サバ⁉︎
英語が堪能な先輩から、英語はツールの一つだということを聞いた事がありました。
その方は、英国留学の経験もあり、 仕事での実務経験も豊富な実力のある方でした。
当時の私にとっては、全くピンときていませんでした。
英語はツール
外国人デザイナーが来日した際、 雑誌掲載のインタビューなどで通訳の方をお願いすることがありました。
そのデザイナーが自分の商品について、掘り下げた話しをしようとしましたが、その通訳の方は、その商品についての知識がなく、話の内容が、良く分からなかったようでした。
デザイナーが伝えたい事を翻訳するには専門的な知識が必要でした。
専門的な単語もある、俗語のような表現も出てきます。
それらを通訳が、聞き返すことで、 廻りで聞いていた私達が感じるくらいにデザイナーは、ストレスがたまっていっているのが分かりました。
結局デザイナーは、その通訳を無視して商品を手にしたり 、作っている工程を表現するために道具を使うジェスチャーをしたり、自ら持ってきた写真を見せたりし始めました。
更には、近くにあった他社の商品まで持ち出して、言葉が分からない日本人達になんとか伝えようと直接プレゼンテーションをしていました。
英語力を活かせる仕事
私が以前に勤めていた会社は、今とは全く違う商品を扱っていましたが、
外国から輸入して日本で卸売をするB to B ビジネス。
今と仕事内容の基本は、同じでした。
13年ほど前 その会社での中途人材の採用。
応募条件としては、仕事未経験可 、英語力を必須条件としたことがありました。
応募してきた人は、仕事は殆ど未経験者。当時の日本の経済、景気状況もあったのか200人強の応募書類が届きました。
いわゆる語学留学者や全くの別業種。 なかには大手航空会社のCAさんから転職しようと考えておられるの方も、確か2名程おられました。
皆さん、英語力は優秀。 応募書類を見れば、最低でもTOIEC 770 点以上の方ばっかりだったと記憶しております。
応募の動機は、好きなファッション業界に入り 日本で得意な英語を活かしたい仕事がしたいという人達でした。
こんなはずじゃなかった
採用された彼らは、 自分の得意な分野で早く会社の一員として役に立ちたい。
その気持ちは良く分かります。
しかしながら、あくまでも仕事のベースは日本のお客様相手。
取扱う商品も多い。
貿易の実務も必要。
プロフェッショナルとなるには、経験して覚えなければいけない事は、山のようにあります。
一朝一夕では、とても難しい。
華やかな見える部分よりも、とてもとても地味な仕事の方が100倍以上もあるのです。
頻繁に、外国人が来日するわけではありません 。
たまに来日してミーティングしても、新人の彼らには、世間話しかできませんでした。(これも重要なのですが…)
彼らは、何とか役に立とうと、英語が不得意な先輩スタッフの仕事を手伝おうとしました。
しかし、その先輩達は、彼ら後輩に面倒くさい英語のメールを丸投げする始末。
実務経験に乏しい人間が書いたメールなど相手に伝わる訳がなく 誤解からトラブルが起きるようになりました。
役に立てていない という焦る気持ちと 、英語という、唯一の自分の武器が錆びていくという風に思い始め 結局辞めてしまった人もいました。
もちろん、これらは、雇用した側の責任は重大であるという事は、今も感じております…。
メール文章の画面に見える相手
![私のPC](https://generalbass.net/wp/wp-content/uploads/IMG_1183-800x600.jpg)
私は超能力者ではありませんが、 この頃画面を見ているとそのメールの文章だけで相手の表情 状況 どんな気持ちか みたいなものが画像として見えてくるのです。
例えば
文章を読むだけで、「これやってないな」「 焦ってるな」「 乗り気じゃないな」「 理解してないな」「やっと納得したな」 「これ以上突っ込むとキレるな」
そんな感じです…
![ateliers-gauthier-france とのミーテイング](https://generalbass.net/wp/wp-content/uploads/商談.jpg)
私はフランス語は喋れません。
メールでのやり取りも英語でしかできません。
仕事を始めた頃は、1通の英文メールを作るのに半日もかかりました。
事がスムーズに運べばお互いハッピーなのですが 、やはりそれぞれのその時の事情。
色々な要因でどちらかというと厳しいやりとりの方が多いのが現状です。
国民性も違うので 良い結果を得る為にはどうしてもお互いの主張をぶつけあって理解を得なければなりません。
相手はフランス人 英語はお互い外国語
スペルミス、単語 表現の間違いで誤解もある。
それでも翻訳ソフトなど使いません。
それでも気持ちの入った 伝えたいという自分の言葉なら そんなの関係なく 通じます。
言葉以外でも、今はメールで写真を送ることができます。
通信速度も格段に良くなって、動画も手軽に撮れるようになりました。
字で、列記するよりも、一目で伝える事も可能です。
時差さえ気にしなければ無料でskypeもあるし、 私にとっては、手軽なLINEで国際電話、ビデオ通話までできる。
伝える事は、手段やツールは、意思さえあればいくらでもあると思います。
日本人同士
はっきりとした声で、冗談交え、理路整然と喋る人。
口下手で 、時々聞き取れない時もあるが、なんか伝わる人 。
メールだけの人。
メールで詳細は送り、 読んだなぁと思ったタイミングで電話をかけてくる人。
電話だけの人。
とにかく会って話しをするという人。
日本人同士でも伝えたつもりでも伝わってない事は多々あると日々感じています。
本当に難しい…。
コミュニケーション能力
日本語、英語、フランス語であれ、
言葉が使えるだけではコミュニケーションをとることは無理であると考えます。
私は
1)挨拶は必ずちゃんとする
2)顔を合わして話すときは相手の目を見る
3)言葉の意味がわからなくても、わかろうとする
4)相手の立場は理解する
5)意思意見は必ず伝える
意思や意見が無いということは事は、その場には、自分が存在しない事と同じと考えます。
語学力を否定するのではありません。
現在、外国人の来日が増え 接する機会が増えてきました。
もし彼らが、下手な日本語でも使ってくれたら嫌な気持ちになる日本人はいないと思います。
絶対に、嬉しいはずです。
今の私にとっては、更により深いコミュニケーションをとるためには、語学力は必要不可欠だと思っております。
家庭では、 私が主張することが多くなったと感じるらしく
奥さん曰く「この頃性格が悪くなったんじゃない?…」と言われてしまいます…
家族でも、コミュニケーションをとることは、難しい… とても…
メルスィー オバ!
crème de la crème
TOM