ファッション業界は環境破壊の諸悪の根源説
ボンジュー ムッシュー サバ⁉︎
ある記事の見出しには、衣料品などは全世界で作られた商品のうちの毎年85%は廃棄されている。
2000年は6年前に比べると生産数量は2倍になり、購入数量は、60%増加したと書いてありました。
私は、その記事を読んで、記事自らの正当性を裏づける方法として、主張が似通っている複数の欧米の記事、その内容の一部を切り取って翻訳引用していました。
読者に印象づける為に記事とイメージが似通った写真を載せ視覚にも訴えて、いかにも全世界共通の意見としてファッション業界、特にファストファッション(自身がファストと名付けたのではないのに…)が環境問題を起こしている諸悪の根源であることを伝えたいのだと感じました。
毎年85%廃棄、生産と購買数量のデータを探しましたが、引用した海外の記事には、ありませんでした。
購入数量が増えた理由は、ブラジル、中国、インド、メキシコ、ロシア、5つの大きな発展途上国が牽引しているとのデータは、別の海外での記事で見られました。
記載されていましたグラフの数字の根拠はともかくとして 理由は、途上国が経済発展したタイミングとファストファッションと呼ばれる衣料品価格の低下とのタイミングが合い需要が生まれたということでありました。
これは納得できうる理由でした。
私自身、2014年頃 フランスでのトレードショウの会場で ロシア人のバイヤーが当時最も多い注文をくれると、出展している複数のブランドから聞いたことがあったからでした。
別の日本国内のことを書いた記事では 衣料品は、供給量に対して在庫と廃棄合わせてなんと53%、半分強もあるということを目にしました。
確かに売上至上の意識が強いアパレル業界の不良在庫問題は、常に経営の根幹に関わる永遠のテーマです。
但し、昨今いくら企業努力でコストを切り詰めているとはいえ、そこまで在庫と廃棄に耐えうる原価構造は不可能です。
記事に書かれていたデータは本当なのか?
残念ながら、その根拠は、これもまた示されていませんでした。
データ=根拠の信憑性
私は?… アパレル関係者がこんなデータを社外に出すはずない。
法人でも決算期は、バラバラ。
上場企業では、ホームページ等で株主や投資家に向けて月次報告を公表しているところは多分23社位しかなかったと記憶しています。(しかも金額ベース)
まして中小零細法人、個人事業が多いアパレルが…こんな手間がかかる面倒くさいことに協力するはずはない。
私は、この基になるデータは経済産業省にあるのではないかと考え調べてみました。
以下は経済産業省ホームページからの抜粋です。
1.事案の概要経済産業省で実施している「繊維流通統計調査」(統計法に基づく一般統計調査)において、不正確な数値が含まれていることが判明いたしました。 (2)具体的には、平成24年3月以降の統計作成に当たり、過去に企業から回答があった数値を、長期間にわたりそのまま使用していたことが確認されました。これは、統計上必要な調査対象企業数に比べ、調査票の回答数が減少してきたことに伴い、一定の調査回答数を維持するために行われていたものと考えられます。また、過去に企業から回答があった、これらの数値の一部について、平成25年4月以降、6年かけてゼロにする処理を行っていたことが確認されました。 (3)なお、平成24年2月以前の数値については、統計調査の数値と実際の企業からの回答数値の間に乖離がある可能性はあるものの、調査個票の文書保存期間の経過により、照合ができないことから、事実関係の確認はできませんでした。 2.本件の対応について (中略) (2)本統計調査における回答企業数が減少し、統計ニーズも小さくなっていることから、1月の公表分を含め、経済産業省として、本統計調査を廃止することを決定しました。
引用元:経済産業省さん
やっぱり…こんなものか…
マスカスタマーゼーション
記事に書かれていた衣料品の環境への負荷を克服する答えは、一人ひとりに向けたマスカスタマーゼーションらしいのです。
衣料品は、売上高が一兆円を超える企業であっても、垂直統合ではなく、重要な生産工程を担っているのは、水平分業が殆どです。
その多くが中小零細です。
他の産業とは構造が違うのです。
しかも一点あたりの単価も低く、商品種類も莫大な数です。
残念ながら、それらは、近年ますます売上規模と比例するようになってきたのです。
時代が変われど労働集約型の産業なのです。
故に賃金の安い国々で生産されるのです。
これらに、今も未来の経営者も、この超多品種少額生産にどれくらい資本を投下することができるのでしようか?
この部分の水中統合を進めることが、出来うるのでしょうか?
それら、それぞれの仕事を生業としている人たちのことを忘れてはならないと思うのです。
私は、本当にしんどい 、困っている ときは、人間は声すらもあげることもできなくなると考えるのです。
経済はさておき、環境問題が優先という、どこか違うところにいる人たちが、生業としている人たちを横に置いておいて、当事者ではない人たちがいくら論じて活動しても、私には、邪魔でしかないと考えるのです。
「横文字」野郎は信用できない
このようにただサステナブルという言葉に結びつけて独り歩きしているように感じるのは私だけなのでしょうか?
他にも「エシカル」「フェアートレード」… それらの活動如何によっては、企業価値の判断基準にも左右するような風潮…
それこそが、何か新しい自分の利益のみを生み出そうとしているのか?と
耳障りのいい、一見綺麗聞こえる横文字のこれらの言葉で隠しているように感じるのです。
なんか胡散臭い…
もうこれ以上、新しい利権を作って真面目に取り組んでいる事業者を苦しめ、更には、それらを消費者に負担させることはやめて頂きたいのです。
自分のためのサステナブルなのでしょうか?
そういえば… 私は、横文字商品を扱わせて頂いておりました…自問っす。
メルスィー オバ!
crème de la crème
TOM