ボンジュー ムッシュー サバ⁉︎
先日のBlogで、Charles et Charlus/シャルル・エ・シャルリュスのバッグでヌバックレザーをお勧めしました。
ヌバックレザーは経年変化し易いとお伝えもしたのですが、
シャルル・エ・シャルリュスをご購入いただくお客様はできるだけ買った時と同じ感じを保っていきたいと思われている方が多いのではないか?
と私は気がつくことがありました。
また同業者でも「このレザーのこの部分キズじゃないの?」という指摘もあり、
手入れについて先ずは自分の経験を語らねばならないのではないかと考えた次第です。
コピーコンテンツには要注意
革製品のスエードに関してのお手入れ方法等はインターネットで検索すれば、特に靴に関しましては諸先輩方々の方法を知ることができます。
しかしヌバックレザー、特にバッグに関しては皆無に近いのです。
また「?」と思う記事も見受けられました。
やはりヌバックレザーの鞄というのはメジャーではないという事を改めて感じました。
ヌバックレザーはスエードやベロア加工している革と比べると、同じ起毛素材でも毛足が短いのです。
Charles et Charlus / シャルル・エ・シャルリュスで使用しているヌバックレザーは手の指でなぞっただけでも毛の方向が変わり、色の濃淡が変わるほど柔らかいのです。
プレケア(ご使用になられる前に)のお勧めとお手入れ方法
防水は必須
使用される前に革靴同様、防水スプレーを使う事をお勧めいたします。 特にヌバックレザーは革の表の銀面がない分、毛足が短い分 加工はもちろんしているものの、雨などの水には注意が必要です。
また、汚れが付いた場合でも落としやすいのは間違いありません。
少し気持ち悪い、説明になりますが 銀面=人間の身体でいえば皮膚と考えていただければわかり易いかと思うのですが 皮膚は、外界からの刺激を保護するものです。それがなく、しかもスエード、ベロア加工と違い保護する毛足が短いのですから、デリケートな素材なのです。(書いていて手の甲が痛くなりました…)
防水剤は変色に要注意です
一番薄い色の革に2種類の防水剤を使いました(写真真ん中は防水なしデフォルトです)
防水スプレータイプ(写真左側)
手軽で乾きも早く約20分で完了。使用したスプレー 「ナノ」というくらいですので粒子が細かいようなので、色むらはおきませんでした。デメリットとして室内使用はNG。 あとは値段が高いところでしょうか?
※他の種類でのスプレータイプ使用の際は、目立たない場所で試してからの方がベストです。また説明書通りに必ず離してお使いくださいませ
ジェルタイプ(写真右側)
少量とって塗拡げていくタイプなのですが、均等に塗っていくのは結構難しく時間がかかります。
※ジェルタイプは、薄い色の革には不向き NGです。
乾くのに時間がかかり 仕上げのブラッシングをしても 見る方向によってはワントーン暗くなってしまいました。
防水写真①では3種類を区別するために黒いデープを貼っていましたが、テープ外すと色の違いがハッキリします。
ブラッシング
指でも色の濃淡が変わる繊細なこのレザー 保管していただけでも毛が寝てしまいます。 保管の方法によっては金具の跡などもつきやすいので ブラッシングは必要です。
毛を起こすのに4種類試しましたが、このヌバックレザーにはこれが一番でした。 中の金属は真鍮なので適度な硬さと柔らかさが良く、結構力をいれてもキズはつきません。
仕上げに馬毛のブラシを使いました。
汚れ落とし
手持ちの3種類試しましたが これが一番でした 写真の汚れはボールペンを誤って付けてしまいましたが 綺麗に取れました!
保管するときは写真のような「あんこ」を作っていただき必ず入れていただき形を整えてください。
表革のバッグも同じです、「あんこ」の作り方は「カバン あんこ」で検索してみてくださいませ。
「あんこ」は、鞄にとってはとても重要なのです。
表革(銀面付き)のレザーや毛足の長いスエード等ともお手入れ方法が違い、手間がかかるものかもしれません。
ただこのヌバックレザー素材からくる独特の色の感じと柔らかさが魅力です。
日頃のケアーはとても大事です。
是非、お手入れして長く愛用してくださいませ。
これこそが真のサスティナブルではないでしょうか?
メルスィー オバ!
crème de la crème
TOM